教授のご挨拶
稲葉 裕
卒業大学:自治医科大学 1989年卒
専門:股関節、関節リウマチ、小児整形外科
整形外科の魅力
整形外科は、骨、関節、靭帯、末梢神経、筋肉などの運動器に関わる疾患や外傷を治療する分野であり、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)を改善させることが大きな目標となっております。現在、整形外科は、外傷、関節外科、脊椎外科、手の外科、足の外科、小児整形外科、スポーツ整形外科、骨軟部腫瘍外科に加えて、関節リウマチ、骨粗鬆症、ロコモティブシンドロームなどの多くの分野に細分化され、それぞれの分野で急速に発展しております。例えば、私の担当分野の一つである股関節領域では、私が整形外科を始めた30年前は人工股関節全置換術の入院期間が約3か月間であったのに比べて、現在では1~2週間程度となっております。
また、関節リウマチや骨粗鬆症領域では、生物学的製剤や多くの薬剤が開発され、20年前では考えられないような治療が出来るようになっております。このように短期間で急速な発展を遂げている診療科は少なく、また高齢者人口の増加により運動器疾患や骨粗鬆症の患者さんは増加し続けており、整形外科のニーズはさらに高まっております。
横浜市立大学整形外科について
横浜市立大学整形外科学教室は1949年に開講し、約75年の歴史があります。現在、約240名の教室員が関連協力病院で勤務し、多くの大規模総合病院に加えて、こども医療センターやがんセンターなどの特殊機能病院もあるため、魅力的な専門研修プログラムを有するのが特徴です。また、約550名の会員が所属する同門会とも仲が良いのも当教室の魅力の一つであり、教室員、同門が一丸となって教室の発展に努力しております。当教室には他大学出身者が多いのも特徴で、多くの分野で活躍しております。若手、中堅医師の育成に力を入れており、高度な医療技術の獲得とともに豊かな人間性を形成することを目指しております。
略歴
1989年 自治医科大学卒業
1989年 神奈川県立厚木病院(現・厚木市立病院)研修医
1991年 神奈川県立厚木病院(現・厚木市立病院)整形外科
1992年 神奈川県立煤ケ谷診療所
1994年 神奈川県立こども医療センター整形外科
1996年 神奈川県立厚木病院整形外科(現・厚木市立病院) 医長
1998年 神奈川県立こども医療センター整形外科 医長
2000年 横浜市立大学整形外科
2001年 横浜市立大学整形外科 助手
2003年 International fellow, Anderson Orthopaedic Research Institute (USA)
2004年 Clinical research fellow, Dorr Institute for Arthritis Research (USA)
2005年 横浜市立大学整形外科 助教
2008年 横浜市立大学整形外科 准教授
2018年 横浜市立大学整形外科 教授
2024年 横浜市立大学附属病院 副病院長(兼任)
2024年 横浜市立大学医学研究科 副科長(臨床系担当)(兼任)
医学博士
2002年 横浜市立大学
専門医
日本整形外科学会整形外科専門医、日本整形外科学会リウマチ専門医、日本リウマチ学会専門医、日本リウマチ学会指導医、日本リウマチ財団登録医、日本体育協会公認スポーツ医、日本骨粗鬆学会認定医、日本人工関節学会認定医、日本関節病学会認定医、日本小児整形外科学会認定医、難病指定医、身体障害者福祉法15条指定医、臨床研修指導医、小児運動器疾患指導管理医師
主な理事・評議員等
日本小児整形外科学会 理事長、日本股関節学会 副理事長、日本関節病学会 理事、日本人工関節学会 理事、日本骨・関節感染症学会 理事、日本整形外科学会 代議員、日本整形外科学会診療ガイドライン委員会 アドバイザー、日本整形外科学会情報管理システム委員会 アドバイザー、日本リハビリテーション医学会 代議員、日本リウマチ学会 評議員、日本CAOS学会 世話人、厚生労働省特定疾患対策研究事業 特発性大腿骨頭壊死調査研究分科会 厚生労働省研究班・分担研究者、公益財団法人日本股関節研究振興財団 研究助成選考委員、肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン改訂委員会 委員、経済産業省体内埋め込み型材料分野積層造形医療機器開発ワーキンググループ 委員、日本整形外科学会財務委員会 副委員長、日本整形外科学会学術用語委員会 委員長、日本小児整形外科学会 学会あり方委員会 アドバイザー、日本小児整形外科学会マルチセンタースタディー委員会 アドバイザー、独立行政法人医薬品医療機器総合機構 専門委員、東日本整形災害外科学会 評議員、関東整形災害外科学会 幹事(令和6年度会長)、日本小児股関節研究会 幹事(令和6年会長)、神奈川整形災害外科研究会 常任幹事(令和6~8年会長)、Journal of Joint Surgery and Research (official journal of Japanese Society for Replacement Arthroplasty) Associated Editor、Journal of Arthroplasty editorial board member、PLOS ONE reviewer、日本整形外科学会 口答試験委員、日本運動器科学会 教育研修企画委員、学術集会査読委員(日本整形外科学会関連)、日本関節病学会 編集委員長、日本関節病学会誌 査読委員、日本リウマチ学会 専門医症例審査委員、日本臨床バイオメカニクス学会誌「臨床バイオメカニクス」査読委員、日本医学会学術用語委員会 委員、日本臨床バイオメカニクス学会 編集委員、Ambassador, Orthopaedic Research Society (ORS) など