2024年度、4月から横浜市立大学附属病院整形外科に勤務させていただいております指導診療医の稗田裕太です。当科新入局員に向けたWound Closure Seminarにアドバイザーとして参加させていただきました。本院形成外科の北山先生にご講義いただいた後、エチコン社様の協賛のもと、豚の皮膚を用いたハンズオンセミナーが行われました。誠にありがとうございました。
北山先生の講義は新入局の先生に向けた内容ではありましたが、我々スタッフにも非常に勉強になる内容でした。エビデンスに基づいた内容から、創部縫合時の工夫やコツを分かりやすくご指導いただきました。普段から行なっている創閉鎖を最初から見直す必要があるなと改めて実感しました。
ハート型に縫合する難しさ、程よく盛り上げて縫合する難しさを新入局の先生たちも実感されたのではないでしょうか。新天地の場の勤務後で疲れている夕方の時間ですが、皆さん黙々と必死に縫合し、すごい集中力だと感心すると同時に、皆さんとても上手だったので自分ものんびりしている状況ではないなと焦りました。翌日から気持ちを切り替えて手術にのぞもうと存じます。
Wound Closure Seminar後の横浜運動器フォーラムでは、藤巻先生から「骨折から考える骨粗鬆症」の講演を、および今井教授から「腱板断裂と肩変形性関節症」の特別講演をいただきました。
藤巻先生の講演では、我々若手が診療する場面で最も多い脆弱性骨折の骨粗鬆症に対して、手術のみでなく術前後における骨粗鬆症治療の重要性についてビッグデータをもとに解説いただきました。骨粗鬆症治療は、整形外科医にとって超高齢社会の本邦において避けては通れないとても重要な診療内容だと再認識できました。
今井教授の特別講演では、幅広い保存加療から手術過量の症例提示、貴重な手術動画、大変丁寧なスライド内容をご教授いただき、複雑な腱板断裂の病態に対して頭の中で整理することができました。明日からの診療に直結する内容で大変勉強になりました。
会の終了後、新入局員と交流会を行い、各病院での勤務開始の感想や雰囲気を共有できました。入局同期のメンバーで集まれる機会はそう多くないため、新入局員にとっても貴重な場だったのではと思います。
まだまだ若手の我々では手に負えない症例、困った症例、どうしたらいいか分からない症例を診療する機会は多いと思います。そのような時に気軽に病院間で連携をとり、対策を講じることを可能とするには、このような交流会は非常に重要な役割があるのではと思います。企画していただいた稲葉教授、宮武医局長、医局のスタッフの先生方、ご多忙の中ご参加いただきました今井教授、北山先生、藤巻先生にはこの場を借りて陳謝いたします。誠にありがとうございました。
また新入局された先生、誠におめでとうございます。一緒に働ける日を心待ちにしております。
整形外科 稗田裕太