横浜市大整形外科 三上大輔です。この度、2022年10月28日から29日に山形で開催された第49回日本股関節学会において若手奨励賞セッション最優秀演題賞を受賞しました。
演題名は「股関節鏡視下所見と滑膜内炎症性サイトカインの関連」です。内容としては滑膜炎、軟骨変性、関節唇損傷の重症度と滑膜内炎症性サイトカインの関連性に着目した研究です。滑膜組織を採取し、リアルタイムPCR法にて遺伝子発現解析を施行し、滑膜内炎症性サイトカインのΔCt値を評価しました。結果としてはIL6の発現と臼蓋側軟骨変性の重症度に関連性を認め、MMP1の発現と滑膜炎の重症度に関連性を認めました。滑膜切除でIL6やMMP1の発現を抑制し、軟骨保護につながる可能性があり、滑膜症状が強い症例では早期の股関節鏡治療が変形性股関節の発症進行に関与する可能性が示唆されました。
今回、学会参加を通じて学会発表は臨床現場で感じた疑問を検討し、情報共有し、その経験や知識を臨床現場で活かすことが重要であると感じました。今回、自身の研究が評価されたことはとても光栄で、喜ばしいことに思います。また、より一層研究の重要性を感じることができました。今後も臨床と研究の両方に力を注ぎ、精進していきたいと思います。
最後になりますが、このような賞を受賞することができたのも小林先生をはじめ、上級医の先生方、また、研究助手の加茂野さんにご指導いただいたおかげです。本当にありがとうございました。