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​掲載日

2020年6月25日

新百合ヶ丘総合病院

1. 【病院の特色】

 2012年8月に新規に川崎市麻生区にオープンした比較的新しい病院です。最新の医療機器導入には積極的な病院で、Medtronic社製O-arm(術中ポータブルCT)、PET、サイバーナイフ、ダビンチ(ロボット手術器機)があります。2020年4月に、新病棟を建てて、186床増床して563床となりました。

 最寄り駅の駅は新百合ヶ丘駅で直通のバスで5分、徒歩で10分の距離です。新百合ヶ丘駅周辺にはデパートなどの商業施設があり、飲食店も多く、生活や食事にも困りません。また、特急で新宿に25分、下北沢に15分、町田に10分で住みやすい街です。


2.【診療科概要および主な手術内容】

 手術は、外傷や膝周囲骨切り術、人工膝関節全置換術(TKA)、人工股関節全置換術(THA)、関節鏡手術を中心に、昨年は836件の手術を行いました。

 変形性膝関節症に対しては、患者さんの状態に合わせて、膝周囲骨切り術またはTKAを選択しています。骨切り術は、患者さんの変形の状態や活動性に合わせて、骨切りの方法を決めています。最近では、変形が著しい患者さんには、大腿骨と脛骨の両方を骨切りする手術を行っています(Double level osteotomy)(図1)。


図1 当科で行っている様々な膝周囲骨切り術


THAや人工骨頭置換術には、また、仰臥位でおこなう前方アプローチで手術を行っており、従来の他のアプローチに比べると術後の回復が早いです。

 TKAやTHAの人工関節手術には、3Dテンプレートソフト(Zed-Knee, Hip)を導入して、正確な術前計画を行っています。また、2019年8月からロボット支援による人工関節手術を導入しました。日本で導入されている施設は、まだ、10施設以内(2020年6月現在)で、正確な人工関節の設置が安全に可能になりました(図2,3)。


図2 ロボット手術支援機器Mako system


図3 ロボット手術支援機器Makoを用いた人工膝関節全置換術


ACL再建は、半腱様筋または薄筋を用いた解剖学的二縦束再建を行っています。また、また、男性のアスリートには、膝蓋靭帯を行っています。半月板損傷に対しては、一般に、まだ半月板切除術を行っている施設もおおいと思いますが、将来的には変形性膝関節症が進行するリスクがあります。これを防ぐために当院では、可能な限り鏡視下半月板縫合術をおこなっています(図4)。


図4 鏡視下半月板縫合術


【手術件数】手術件数は毎年増加傾向です(図5)。

図5 整形外科 年間手術件数の推移


3. 【診療体制】

 常勤スタッフは7名で、そのうち6名が整形外科専門医(指導医2名)、1名がリウマチ学会専門医です(整形外科専門医研修施設のほか、日本リウマチ学会教育施設にも認定されています)(図6)。加えて、大学からの非常勤医師の応援医師で診療しています。

 整形外科の勤務は、多忙で、平日は、手術が立て込んでいれば、休む時間が少ないことがあったり、緊急手術があれば、夜遅くまで勤務することもあったりします。その代わり、平日1日は公休日としています。また、土曜日は交代で勤務し、月1回程度の勤務です。主治医制ではありますが、担当患者以外の患者の状態をお互いに把握して対応できるようにしているので、休みの日は十分に休息をとってもらっています。当直は月2回程度です。一緒に脳神経外科、循環器内科、救急科、内科、小児科、産婦人科が当直していますので、整形外科以外の病状が併存していても、スムーズにコンサルトができて、治療方針に困ることはまずありません。整形外科医が当直していない日はオンコールを決めていますが、救急科医師が整形外科疾患の受け入れと初療をしてくれるので、ほとんど夜中に呼ばれることはありません。また、緊急手術を要する開放骨折や指切断は、外傷センター医師が担当することになっています。

 学会参加、発表は、積極的に行っています。制限はありますが、概ね、病院から学会参加費の補助がでます。社会人大学院生の先生も在籍していて、学位取得を目指して、研究や論文執筆をしています。

 当院は、初期研修医の受け入れ積極的です(レジナビを参照してください。(https://www.residentnavi.com/hospitals/713)。

比較的、自由に研修したい診療科を選択して、研修のスケジュールが組めることが魅力のようです。もし整形外科で研修してもらえれば、十二分な経験を約束します。

 整形外科の若手の先生には、入局1年目の先生には、外傷患者を中心に、2年目以降にはそれ以外の疾患の患者も担当医になってもらい、基本的には、担当患者の手術の執刀をしてもらいます。患者さんが安全に手術を受けられるように、もちろん上級医が指導いたします。

図6 整形外科スタッフ(ソーシャル ディスタンシングで撮影)

離れて撮影していますが、仲はよいです。


4. 【現在ローテート中の若手医師の一言】

 多くの症例を若手に任せていただけるだけでなく、一例一例丁寧にフィードバックをいただけるので、日々充実しています。何より明るい雰囲気の中、楽しく過ごさせていただいております。(入局1年目 N先生)


5.【おわりに】

 この原稿を書いている現在、COVID-19感染症の拡大が落ち着いてきていますが、まだ、予断がゆるさない状況かと思います。当科でも感染予防に留意して診療を行っています。初期研修医や若手整形外科の先生方は、私たちが経験のしたことのない状況下で、診療や研修を行わなければなりません。不安とは思いますが、こんな状況下でもできることはたくさんあると思います。

 一緒に働く機会がありましたら、共に乗り越えていきましょう!

(2020年6月 新百合ヶ丘総合病院 副院長・整形外科部長 斎藤泉)


横浜市立大学整形外科学教室

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