掲載日
2020年6月20日
横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救命救急センター
1.【病院の特色】
横浜市南区に立地しており横浜市救急医療の最後の砦としての機能を果たすべく、緊急性の高い症例・重症症例に対する救急診療を24時間体制で行っています。病床は全47床で、集中治療室12床、救命病棟8床と救命後方病棟27床から成っています。
2.【診療科概要】
当センターは、広範囲熱傷・四肢切断・急性中毒などの特殊疾病患者にも対応できる3次救急施設として、神奈川県内に2施設しかない高度救命救急センターです。搬送されてくる症例は、上記特殊疾病に加えて心肺停止、交通外傷、墜落外傷等の高エネルギー外傷・多発外傷、脊髄損傷、意識障害、重症急性膵炎や劇症肝炎などの他院では対応困難な重症なものばかりです。
整形外科医として関わる症例のほとんどは外傷であり、他の施設では経験することがあまりできない骨盤骨折(骨盤輪骨折・寛骨臼骨折)、脊椎脊髄損傷、重度四肢外傷、全身管理を要する多発外傷などが多くを占めます。これらの診療の経験が得られるということが当センターで勤務することの最大のメリットです。また初期診療にも参加するため、外傷初期診療の手技や知識も体得できます。
3.【主な手術内容及び件数】
R1年度の整形外科手術の総数は245例で、内訳は骨盤骨折に対する創外固定13例、骨盤骨折のORIF32例、脊椎手術20例、四肢創外固定21例、下肢ORIF47例、上肢ORIF51例でした。上記のうち、開放骨折は32例でした。切断術は7例、洗浄デブリドマン18例、抜釘24例、その他の手術12例でした。
4.【診療体制】
当センターのスタッフは、下記の整形外科4名(日整会専門医2名)ですが、他科のスタッフ(救急科14名、外科2名、形成外科2名、脳神経外科2名、内科2名、精神科1名)とも協力しながら日常診療に携わります。当直はおよそ6日に1回で、当直に整形外科がいない場合にはオンコールで対応しています。整形外科として緊急手術を要する場合には若手の先生だけで対応することはなく、必ずセカンドコールとして上級医がバックアップをする体制としています。
〈救命整形外科スタッフ〉
若山 悠介(平成18年卒、日本整形外科学会認定整形外科専門医)
松本 匡洋(平成21年卒、日本整形外科学会認定整形外科専門医)
原田 拓郎(平成26年卒)
榎本 大介(平成29年卒)
5.【現在ローテート中の若手医師から一言】
平成29年卒の榎本大介です。横浜市大センター病院救急救命センターでは整形外科は主に骨盤骨折、開放骨折を初めとした重度四肢外傷の治療に従事しています。
整形外科チームは4人で形成され症例個々の骨折型や骨欠損、神経、血管損傷、筋損傷に関して、すでに第一線で活躍されている外傷外科医の先輩方と治療の考え方を共有させて頂くことで貴重な治療経験を積み重ねていくことができます。
月日が経つにつれ、自分の中での治療戦略が蓄積され先輩方との討論のレベルが上がっていくのを肌で感じることができ、この感覚は言葉に表せないものでした。
私にとってこの救急救命センターで出会った先輩方の存在はこれからの医師人生における目標であり羅針盤です。
また救急救命センターでは整形外科だけでなく多くの科の医師が関わっているのも大きな魅力です。一つのproblemに対して様々な視点で捉えるトレーニングとなり、きっとかけがえのない時間になるでしょう。