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​掲載日

2020年6月15日

神奈川県立こども医療センター


1.【病院の特色】

 横浜市南区の高台に立地する国内第3位病床数(419床)を誇る小児専門病院です。というと聞こえが良いですが、敷地を確保するために陸の孤島のような場所になってしまったというのが実際かもしれません。周囲に若者を誘惑するような施設はなく、仕事に集中できます。

 小児専門病院であり、各科がかなり高度な専門医療を行っている関係で、一般小児外傷を診る余裕はありません。外来も完全予約制で、多分見たこともないような疾患のオンパレードです。もし、当院に赴任されれば、最初の1年は全く分からないことだらけで呆然とするはずです。そのため、事前の情報収集に時間が割けるように、スケジュール管理しており、しっかりと小児整形外科の知識を付けていってもらいます。

 神奈川県の小児人口120万児、横浜市の小児人口50万児をバックグランドとしてお預かりし、国内でも指折りである症例数を各科が有しております。各科所属医師も、国内小児医療におけるエキスパートばかりで、それらの先生とDiscussionを繰り返すことが日常です。他科との垣根の低さも当院の魅力の一つで、一人の小児患者に対する総合的なアプローチの一軸を担います。超高齢化社会においては、非常にニッチな分野となってしまいましたが、大人の整形外科だけでなく小児整形外科領域も知ることにより、整形外科医として、知識の幅と深さが変わるかもしれません。


2.【診療科概要】

 高度少子化の現在、貴重となってしまった小児整形外科疾患のみを取り扱っております。一般外傷は取り扱っておらず、手術も内反足や骨盤骨切り、側彎症といった特殊な手術が主力になるため、大きな手術はどうしても常勤医が行わざるを得ません。ローテーションの先生方には、それらの手術助手と入院管理、外来診療を行っていただきます。非常に難解な症例が多いため、常勤医と相談を密にしながら診療に当たっていただきます。とにかく、病院全体が小児に特化しているため、当院在籍期間全体が貴重な経験の連続となると思います。一般的な成人主軸の診療体系と全く異なります。知られざる世界へようこそ!



3.【主な手術内容及び件数】

下記サイトに2013年以降の手術内容と件数が掲示されています。

http://kcmc.jp/SeikeiHP/results/operations.html


4.【診療・指導体制】

スタッフ6名 うち日整会指導医2名

 

 大学病院や地域基幹病院などにはない小児治療に特化した、国内標準以上の小児整形外科治療を目指し、提供しています。これまでも定評のある内反足治療、ペルテス治療に加え、近年は小児脊椎疾患に関して全国有数の手術件数となっています。特に、脳性麻痺のような神経筋性疾患や染色体異常、精神発達遅滞といった障がいのある子ども達の側弯症手術やダウン症に伴う環軸椎不安定に対する手術を積極的に行っております。神奈川県立こども医療センターには小児がんセンターもありますが、悪性骨腫瘍に関しては神奈川県立がんセンター骨軟部腫瘍科、横浜市立大学整形外科の協力を仰いでいます。

 当直は毎月平日一回と週末一回です。オンコールは医長以下4名で分担しております。当直は外科系全科当直となりますが、当院の性格上、専門疾患が多いため、他科疾患の問い合わせに関しては、専門科に依頼するようになっており、心配はいりません。入院乳幼児の夜間点滴漏れに対する差し替えも、小児内科によるバックアップ体制が出来ているので、入らなくても心配いりません。

 当院の方針として、常勤職員はいわゆるアルバイトが出来ません。給与的に不満はあるかもしれませんが、その分多施設では学べない貴重な症例を経験できるまたとない機会なので、当院での臨床業務に集中した方が、生涯利益は大きいと思います。


5.【若手医師からのコメント】

 「平成29~30年度にこども医療センターへ勤務し、大変貴重な経験をさせていただきました。ここでしか診られない疾患、小児整形特有の手技などを学ばせていただき有意義な時間を過ごすことができました。他院でも経過をみることができるものや、専門病院へ相談のポイントも含め学んだことを今後に生かせると思います。子どもたちと遊んだり、コミュニケーションをとることすべてがとても楽しかったです。また、ハロウィンの仮装や、サンタクロースに扮して入院患児へプレゼントを配ったことはとてもいい思い出です。 平成26年卒 秋山豪介」


 「卒後7年目から2年間、こども医療センターで研修させていただきました。こども医療センターで経験した疾患は、稀な疾患が多く1例1例が貴重な経験となりました。町田先生や中村先生による高度な手術手技を近くで学べたのと同時に、予想以上に経過観察や保存治療による治療が多く、小児の治る力の強さが印象に残っています。外来に小児が受診した際に、「困ったな」と感じるのではなく「何とか治したい」と感じるようにさせていただいた貴重な2年間でした。平成23年卒 赤松智隆」


 「やはりこども医療でしか見られない小児整形という分野を知れたことだと思います。また、紹介制のため事前に紹介状などを確認できることが出来て、考える疾患や方針を事前に上級医に相談し準備できるのがよかったです。平成25年卒 片野俊弘」


「成長による病状や症状の変化が見れるところ。治療方針を整形外科医だけでなく、リハビリPT・OTさんや看護師さんと話し合って決めていくところが、一般整形と違い面白かったと思います。平成23年卒 松田蓉子」


 「こども医療センターでは、市中病院ではなかなか触れる機会の少ない小児の疾患の診療や手術を経験できることが何より非常によかった点です。また、市中病院でまれに来る小児の患者への対応も、ここでの経験を活かして、多少自信を持って対応できる様になると思います。平成26年卒 河邉 有一郎」 

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