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膝グループでは、変形性関節症や特発性膝骨壊死などに関する研究を行っています。

ここではその一部をご紹介します。

変形性膝関節症における十字靱帯変性のメカニズム

変形性膝関節症(OA)において十字靭帯の変性はしばしば観察される所見であり、加齢や力学的ストレスの異常等により生じるとされますが、詳細なメカニズムは不明です。我々はOAの診断で人工膝関節置換術を行った症例から同意を得て前十字靭帯および後十字靭帯を採取し、腱・靭帯分化のマーカーScleraxisと軟骨分化のマーカーSOX9の発現を調査しました。その結果、靭帯変性の進行に伴いScleraxisの発現が減少し、SOX9の発現が増加することが確認され、靭帯細胞の軟骨分化が靭帯の変性に関与することが示唆されました。さらに詳細なメカニズムを研究し、十字靱帯変性の進行予防につながる成果を目指しています。

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Kumagai et al. Osteoarthritis Cartilage 2012

軟骨分化におけるスクレロスチンの役割

スクレロスチンはWnt/βカテニンシグナル経路を抑制し、骨形成抑制因子として知られていますが、骨細胞のみならず軟骨細胞にも発現します。我々は軟骨分化におけるスクレロスチンの作用について着目し、研究を行っています。これまでの研究成果では、スクレロスチンは軟骨初期分化を促進し、軟骨細胞の維持に関与する一方、軟骨後期分化を抑制することが示唆されました。変形性関節症との関連についても検討中です。

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Yamaguchi et al. PLoS One 2018

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